パラサイト ラブ
お義母さんは私を椅子に座らせ、ご飯とお味噌汁をよそい始めた。
向かいに座ったハナさんは、その様子を微笑みながら見ていた。
「さ、どうぞ」
目の前に置かれたご飯とお味噌汁から立ち上る湯気が食欲をそそる。
と思ったのだけれど……
なぜか私の嗅覚は、全く逆のとらえ方をした。
「これ……何か特別なお味噌で作ったわけじゃないですよね?」
「え……?冷蔵庫に入ってたものを使ったんだけど、なにか変かしら?」
お義母さんが私のお椀を手に取り、お味噌汁を一口すすった。
「何も問題はないと思うんだけど……」
どうしてだろう。私の鼻、なにかおかしい?
そういえばこの部屋に入った時から、充満する料理の匂いが胃にもたれる感じがした。
「朝乃ちゃん……あなたもしかして――――――」
お義母さんの話を最後まで聞く前に、私は吐き気を催してトイレに駆け込んだ。