パラサイト ラブ
「妊娠、してるのか……?」
朝乃はこっくりと頷く。
朝乃と俺の子ども……
どんな反応をしたらいいかわからなくて、ただ立ち尽くす俺に朝乃は頼りない表情で言う。
「だけど………私、お母さんがどういうものなのか知らない。
ちゃんとこの子を産んで育てられるのか……全然、わからない」
突然お腹に宿った小さな命の存在に戸惑っている朝乃。
こういうとき、男ってつくづく無力だと思った。…かける言葉が見つからない。
だけど俺の子どもでもあるんだ。一緒にその戸惑いも、分かち合いたい。
「朝乃」
俺は彼女を包み込むように抱き寄せ、落ち着かせるように髪を撫でる。
「俺は男だから、体のつらさとか朝乃の不安とか、全部わかってやれるわけじゃないかもしれないけどさ……
俺は、会いたい。俺たちの子に」