パラサイト ラブ
「…ちょっと、失業中で…
探してるところなの」
そんな言葉で取り繕うと、龍ちゃんは心配そうな表情になって言った。
「住むところとか、食べるものとか、困ってないか?もし生活苦しいなら、うちに来るか?」
役所に勤めているからなのか、生活困窮者には敏感みたいだ。
言われるまで忘れていたけど、あの部屋は英が借りてくれていたものだ。
彼が出て行った今、私はいつ追い出されてもおかしくない。
「…龍ちゃんのところに行ってもいい?」
私が申し訳なさそうに言うと、龍ちゃんは優しく頷いてくれた。
こうして私は、新しい男と住みかを手に入れた。