パラサイト ラブ
使命感
一度朝乃を家まで送って、荷物をまとめたら車で俺が迎えに行くという段取りにした。
「じゃあ、またあとで」
小さなアパートの前で朝乃に手を振って、歩き出した俺。
部屋、片づけないといけないな…
そんなことを思いながら足を進めていると、後ろから誰かが駆けてくる音がした。
振り返ると、今にも泣き出しそうな表情の、朝乃だった。
「…どうしたの?慌てて」
「………行かないで」
「え……?」
「私が荷物まとめてる間も、待ってて欲しい」
ぎゅっと俺の腕をつかむ朝乃。
「でも、車ないと運ぶのきついよ?」
そう言っても、朝乃は首を横に振るばかりだった。