パラサイト ラブ
「…一緒に住んでたわけじゃないの。ここは彼が私のために借りてくれた部屋で、週末には彼が来て二人で過ごす…そんな生活を一年くらい続けてた」
リビングのローテーブルをはさんで、向き合う俺と朝乃。
朝乃は思い出を反芻するように、部屋のあらゆる物を順番に眺めながら話した。
「でも…途中から、私の悪い癖が表に出るようになってきて…関係がうまくいかなくなった」
「悪い癖…?」
「その人と片時も離れたくないって思いが強くなりすぎて…相手に執着して、縛り付けるような行動ばかりするの」
俺は、車を取りに行こうとしたときのことを思い出した。あれも、朝乃の言う悪い癖、なのだろうか。