パラサイト ラブ
「…荷物は、全部詰めた?」
クローゼットの前の鞄を見やって、俺は言った。
「…あと、少しだけど…」
「じゃあ早く詰めて」
「…龍ちゃん…いいの?」
「…この部屋、いつ契約切られるかわかんないんだろ?…いいよ、うちにおいで」
ありがとう、と微笑んで荷造りを再開した朝乃の背中を見ながら、俺は心に決めていた。
今までの男にできなかったことを、俺がやろう。
男に依存しすぎる朝乃を、俺が変える。
そんな使命感を携えて、朝乃との生活をスタートさせた。