パラサイト ラブ


朝乃が引っ越してきた当日と翌日は、仕事が休みだったから、存分に二人の時間を満喫することができた。



朝乃は料理が下手だった。

だけど俺のために一所懸命作ってくれたから、焦げたハンバーグも、しょっぱ過ぎる味噌汁も、俺には嬉しくて全部平らげた。



結婚願望なんて今まで持っていなかった俺だけど、朝乃と結婚したらこんな感じなのかな…と想像すると頬が緩んだ。



――俺は何も解っちゃいなかった。



それに気づいたのは、翌日…



朝乃に告げていた帰宅時間より一時間ほど遅く家に着いた俺は、リビングの様子がおかしいことに気がついた。


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