パラサイト ラブ


引き出しという引き出しが開いていて、中身が漁られた形跡がある。



本棚の本は全部床に落ちていて、まるで大地震の後。



――まさか、泥棒?



そう思いつくと同時に、いやな予感が頭をかすめた。



朝乃の姿が…見えない。



犯人に乱暴されたんじゃないかと不安になり、俺は慌てて寝室の扉を開けた。



「朝乃っ…!!」



目に飛び込んできたのは、ベッドの上で布団にくるまれた塊。

大きさは、ちょうど人間が一人入っているぐらいの……



さっと血の気が引いて、おそるおそる布団を剥いだ。

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