パラサイト ラブ
「龍…ちゃん」
中から出てきたのは、背中を丸めて涙を浮かべる朝乃。
「朝乃、なにがあった…?うちに泥棒が入ったのか…?」
背中をさすりながら朝乃に問いかける。
「…どろ…ぼう…?」
「リビング、ひどい有様だ…引き出しがひっかき回されてるし本も全部落ちてて…」
「それ……………私、だよ」
俯きながら言った朝乃の声が聞き取りづらくて、俺は聞き返した。
「朝乃、今なんて…」
「リビング散らかしたの……私」
今度はしっかり俺を見つめながら言った朝乃。
「何で、そんなこと……」
朝乃の言ったことが心底理解できなくて、俺は眉をひそめた。