パラサイト ラブ
彼の職場
いつも、後から落ち着いて考えれば解る。
私、常軌を逸してた。
だけど、彼に捨てられたくなくて、必死になり過ぎている、その最中には気づけない。
…今回も、その典型だった。
「龍ちゃん……ごめんね」
正常な思考を取り戻した私は、一緒にリビングを片づけながら何度も謝った。
「もういいって。今日のは俺も悪かった。不安にさせてごめんな」
龍ちゃんは私を責めなかった。
そのことでほっとするのと同時に、まだ付き合いたてだから我慢できるだけかもしれないと思うと、完全には安心できなかった。
そして、翌朝……
私の心はまたしても、黒い感情に覆われそうになっていた。