パラサイト ラブ
目が合って、声を掛けようと近づきかけた途端、朝乃は逃げるようにその場を去った。
何しに来たんだ…?
気になったけど、仕事を抜け出すわけにもいかない俺は、朝乃を追いかけることはしなかった。
「…もしかして、彼女さんですか?」
うっとうしい芸能レポーターのように、藤崎さんが聞いてきた。
「…え?うん」
「わぁ!すごいキレーな人ですね!いいなぁ…私も彼氏欲しい」
藤崎さんの戯言を聞き流しながら、俺はさっきの朝乃の様子を思い出していやな予感がしていた。
また、あの“癖”が出たんじゃないかって……