パラサイト ラブ

「朝乃……!」



部屋に帰るなり風呂場に直行した俺は、磨り硝子の向こうの影に声をかけた。



「龍、ちゃん…?」



よかった、生きてる――…


ほっと胸をなで下ろしたのもつかの間、朝乃が大きな声で叫んだ。



「来ないで…っ!!」



拒否しているというより、必死に懇願しているような痛々しさをその声に感じた俺は、朝乃の言葉を無視して風呂場のドアを開けた。



締め切っていたせいでむわりとした空気、そこに混じるアンモニア臭が…俺の鼻を刺激した。



「来ないでって…言った、のに」



朝乃が座り込む床に、薄黄色の水たまりができていた。


彼女は……

失禁してしまっていたのだ。


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