パラサイト ラブ
私の中にある幸せの受け皿は、きっと誰より小さくて、おまけにひびも入ってる。
だから、一晩かけて愛された翌朝だって、幸せはこぼれ落ちてしまっていてわずかしか残ってない。
今までの私はそうだった。
だけど……今朝は珍しく穏やかな気持ち。
龍ちゃんの脇の下に頭を置いて、彼の心音を聞きながらまどろむ。
「ん………」
寝返りを打った龍ちゃんは、目を閉じたまま私の身体に腕を回す。
「起きてる?」
「……寝てる」
起きてるじゃない、と思ってクスクス笑うと、彼が腕に力を込めて私を抱きしめ、唇を重ねてきた。