パラサイト ラブ
龍ちゃんはキスをしながら私の胸をまさぐり始め、私の口から溜息が漏れる。
「朝乃――…」
寝起きで少し掠れた声が私を呼び、朝から求められる幸福感に浸る。
そして、足を開いて彼を受け入れようとした時だった。
「……う……駄目だ」
眉間に皺を寄せた龍ちゃんが苦しげに言った。
「どうしたの……?」
「もう、腰動かない……」
身体の力を抜いて、私に体重を預ける。
「くそ、昨日頑張りすぎた…」
心底悔しそうに呟く彼が、なんだか可笑しかった。
そして、たとえ行為がなくてもこうして身体を密着させているだけで心が満たされていく…
そんな穏やかな幸せを、初めて感じた朝だった。