パラサイト ラブ

「え……?」


「みんな死んじゃって、高校生の頃から一人暮らししてた」


「……そう、だったのか」



何と言っていいかの解らない。



自分が高校生の頃は、親に甘えて好き勝手してた。
うるさい小言や説教もあったけど、いつもあったかいメシがあった。

朝乃はその頃からずっと…独りで過ごしてたっていうのか。



「……可哀想だと思ってる?」



首だけこちらを向けて朝乃が俺に訊く。


「………うん」



同情なんてされたくないかもしれないけど、普通の家庭で育った俺にはやっぱり、その状況は気の毒に思えた。



「私はラッキーだと思ってるんだよ」


「…ラッキー?」


< 57 / 216 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop