パラサイト ラブ
「え……?」
「みんな死んじゃって、高校生の頃から一人暮らししてた」
「……そう、だったのか」
何と言っていいかの解らない。
自分が高校生の頃は、親に甘えて好き勝手してた。
うるさい小言や説教もあったけど、いつもあったかいメシがあった。
朝乃はその頃からずっと…独りで過ごしてたっていうのか。
「……可哀想だと思ってる?」
首だけこちらを向けて朝乃が俺に訊く。
「………うん」
同情なんてされたくないかもしれないけど、普通の家庭で育った俺にはやっぱり、その状況は気の毒に思えた。
「私はラッキーだと思ってるんだよ」
「…ラッキー?」