パラサイト ラブ
厄介な議員
「それって……私と一緒に居ても、龍ちゃんにはプラスにならないってこと?」
ぽつりと呟いた朝乃。
俯いているせいで表情が見えない。
「そういう訳じゃ……」
もしかしたら、例えを間違えたかもしれない……
そう思ったときにはもう遅くて
「…もう、帰ろう?」
「ちょ……待てって」
すっかり朝乃は不機嫌になり、ぜっかくのデートは台無しになってしまった。
「あーさの、ごめんって…」
車の助手席で仏頂面を続ける朝乃に、謝り続ける俺。
「別に、怒ってるわけじゃないの」
「…じゃあなんでそんな顔してるの」
「ちょっと……考え事してるだけ」
朝乃は俺から顔を背けるように、窓の方を向いてしまった。