パラサイト ラブ
夜になってもその態度は変わらなくて、いつもなら一緒にベッドに入ったとき脚や腕を絡ませてくるのに、今日の彼女は俺の方を見ようともしない。
「朝乃」
名前を呼んでこちらを向かせ、短いキスをしてから訊いた。
「なに考えてるの。昼間からずっと」
朝乃は長い睫毛を伏せ、少し考えてから口を開いた。
「私…仕事もしてないくせに、家事もできない、セックスしか能のない女なの」
「………?」
「だからそれを否定されたら、私の価値なんてなにもないんだよ……」
どうしてそんな話になるのか解らないけど、朝乃がしくしくと泣き始めたので俺は慌てて彼女を抱きしめた。