パラサイト ラブ
寄り添う心
「――全く、目標を言うだけの高みにいる人はいいよな。苦労するのは俺たちなのに」
ワカメと豆腐の味噌汁をずずっとすすりながら、龍ちゃんが言った。
帰ってきてからずっと不機嫌そうな顔をしていたから気になっていた。
「…何の話?」
「んー…こないだ市議会議員に初当選した人がちょっと面倒な人でさ」
せっかく苦労して作った料理を仏頂面で食べられるのは悲しいけど、議会だとか議員だとか、私にはよく解らない話だから「そうなんだ…」と相づちを打つしかできない。
話題に乗れない私に気づいたのか、龍ちゃんが軽い調子で聞いてきた。
「朝乃知らない?遠山英って。
見た目いいから結構女性人気あるみたいなんだけど」