パラサイト ラブ
―――吐き気がした。
英に、奥さんと子供…?
そんな……あり得ないよ。
完全に同居してた訳ではないけれど、一年ずっと一緒に居て私は気づかなかったということ…?
胃からこみ上げてくるものを抑えられそうになくて、私はガタンと席を立つ。
「朝乃……?」
心配そうな龍ちゃんに構うこともできず、トイレに駆け込んだ私は今食べていた夕食をもどしてしまった。
「う…っ…うぁぁ」
胃が空っぽになると、今度は涙が溢れてきた。
終わった恋とはいえ、英は私の中で特別だった。
独占欲の強い私を持て余すこともあったけれど、いつも優しくて……
英と付き合っているときは、愛し、愛されているという安心感を強く感じられたから。