パラサイト ラブ
だから、英が居なくなったその日のうちに新しい男を探しに出たんだ。
寂しさに、耐えきれそうになかったから。
「朝乃……大丈夫?」
「龍ちゃん……」
そして、出会った。
きっと嫌な臭いが立ちこめているだろうトイレの扉を迷わず開けて、私の背中をさすってくれる……
この愛しい人に。
「龍ちゃんは…嘘、ついてないよね?」
「ついてないよ」
「隠し事…なにもないよね?」
「ないよ」
「私に黙って、居なくなったりしないよね……?」
「当たり前だろ」
子供みたいに泣きじゃくる私を、龍ちゃんは強く抱きしめる。
“当たり前”のことをわざわざ確認しなければ壊れそうな私の心を、龍ちゃんの熱が少しずつあたためていく。