パラサイト ラブ
翌朝、いつもの時間に携帯のアラームが鳴り薄目を開けると、隣に朝乃が居ないことに気づいて飛び起きた。
いつもは俺の方が先に起きているのに……
不思議に思いながら寝室を出ると、廊下に漂う焦げ臭さが俺の鼻を刺激した。
「朝乃……?」
匂いの出所はキッチンで、必死でフライパンと格闘する朝乃の姿があった。
「やっぱりダメみたい…」
「何が?」
「……料理のできる奥さんになりたかったんだけど」
悔しそうに下唇を噛む朝乃。
フライパンには焦げすぎたなにかがこびりついてしまって、洗っても取れなそうだ。
「何作ろうとしたの?」
「…フレンチトースト」
なるほど、確かにシンクの上には卵の殻と牛乳と、封の開いた食パンが乗っていた。