パラサイト ラブ

「前に、私は男の人と寝ることしか能がないって言ったでしょ?」


「あぁ…うん」



そう言えば、そんなこと言ってたな。



「結婚するのに、そんな自分のままじゃ嫌だと思って……いつもと違う朝ご飯に挑戦してみたの。
…失敗だったけど」


「朝乃……」



朝乃なりに結婚を意識して…俺のために“いい奥さん”になろうとしてくれたんだ。



いじらしい程に俺を愛する朝乃。そんな朝乃だから…結婚しようと決めたんだ。料理なんてできなくて構わない。



「朝乃は、居てくれるだけでいいんだよ」



彼女の頭を引き寄せ、自分の胸に抱いた。焦げ臭さが染み着いてしまった髪の匂いすら愛しい。


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