パラサイト ラブ
「朝乃……俺の家族と会ってくれないか?」
「龍ちゃんの…家族?」
「うん…今度実家に帰って来いって言われちゃって。もし朝乃が嫌なら断るけど……」
「―――行く!!」
俺が言い終わらないうちに、朝乃がそうかぶせてきた。
……なんだか目が、輝いてる。
「…嫌じゃないの?」
「どうして?龍ちゃんがどんな家庭で育ったのか知りたいよ、私」
「それならいいけど…でも前はうちの猫にヤキモチ妬いてなかったっけ?」
俺が言うと、朝乃はばつが悪そうに睫毛を伏せて頬を赤く染めた。
「そうだった、ね。少しだけ…心に余裕ができたのかもしれない。龍ちゃんがプロポーズしてくれて」
「そっか、じゃあ彼女連れて行くって返事しとく」
朝乃がどんどんいい方向に変わってきている気がして、素直に嬉しい。
最近は俺の妙な独占欲も影を潜めているし、これからも俺たちはきっとうまくいく。
そう信じて、疑わなかった。