パラサイト ラブ

しばらく見つめ合った後、英が私の買い物かごをのぞき込んで言った。



「……他に、買う物は?」


「え…?あ…これで終わりだけど」



すると英は買い物かごを私の手から奪い、レジに向かって歩き出してしまった。



「ちょっと…!!」


「俺が払うから、待ってて」



引き留めようにも混雑した店内でそれは難しく、英は吸い込まれるようにレジを通るとさっさと会計を済ませていた。



「どうして……」



龍ちゃんのために選んだ食材を英に支払ってもらうなんて、なんだか不愉快だ。

憮然とする私に気づいているはずなのに、英は袋詰めを済ませるとこんなことを言い出した。



「朝乃、時間あるならお茶しないか?」


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