パラサイト ラブ

当然、断った。



「英と話すことなんてない」



そう言って彼を睨んで。



そして英の手にある食材の袋をひったくろうとすると、彼はその手をひょいと高く上げ、私の手から逃れた。



「俺はあるんだ。少しでいいから…付き合ってくれないか」



食材を人質に取られたのは不覚だった。

あれがないと龍ちゃんに晩ご飯を作ってあげられない……



私は仕方なく、彼に連れられて小さなカフェの扉をくぐる羽目になってしまった。


< 90 / 216 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop