パラサイト ラブ
テーブルを挟んで向かい合うと、英は慣れた様子でコーヒーを二つ注文した。
店内はレトロな雰囲気で、カフェと言うより喫茶店といった方がしっくりくるようなお店だった。
お昼どきだからか、店内にぽつぽつ居るお客さんはみんなナポリタンを食べている。
このお店の雰囲気は決して嫌いじゃないけれど、居心地が悪くて仕方がなかった。
英の話を聞いたら一刻も早くここを出よう、コーヒー代は絶対に自分で払おうと、そんなことばかり考えて英と向かい合っていた。
「まさか朝乃があの部屋を出て行くとは思わなかった」
英の一言目は、それだった。