パラサイト ラブ
「今の彼もきっと最後は朝乃を捨てるよ」
私は両手で耳を塞いだ。
……聞きたくない。
お願いだからこれ以上、私の心のかさぶたを剥がすようなことはしないで。
「俺なら朝乃を幸せにできる。戻って来いよ、部屋ならあのままにしてあるから」
……うるさい、黙って!
私はぎゅっと目を閉じ、首を横に振った。
「…今のままじゃつらい目に遭うのは朝乃だ。なぁ、本気で考えてみて――――…朝乃?」
「はぁ……はぁ…っ…」
苦しい。
「……大丈夫か?」
息が……苦しい。
それに頭が痛いし、心臓もいやに高鳴る。
「す、ぐる………っ」
あまりに高まる不安感に、思わず私は英に助けを求めた。