パラサイト ラブ
応急処置
家に帰ると朝乃の姿が見えなかった。
どの部屋にも居ないことを確認したあと、買い物用の財布がないことに俺は気づいた。
買い物…こんな時間に……?
不思議に思っているとインターホンが鳴り、俺はさらに首を傾げる。
朝乃なら、自分で鍵を開けられるはずなのに……
「―――はい」
玄関を開けた俺は、目を見開いた。
「朝乃……」
「龍ちゃん…ただいま」
そこには顔色の悪い朝乃と、彼女の肩を支えるようにして立つ一人の男が居た。
「あんたは……遠山…」
朝乃の、前の恋人……