−遠く儚く−

「アイクっっ!!アイラっっ!!」



瞬時に、相手がただのザコではないと判断した二人は同時に切り掛かる。




アイクの剣がソノ人の肩に食い込む、と思われたが、スルリとよけられる。



そして、ピッと音がしたと思えば、アイクの肩から血しぶきがあがる。


「いやぁあああぁ!!!!アイク!!!!」



『兄様!!!!』


『くぅっ・・・』


もう見ていられない。


私の顔や手は血で真っ赤に染まっていた。



《アハハハハ、大丈夫かい?》



頭上からソノ人の声がする。


何が・・・・何がそんなに面白いの?


『あぐっ・・・・』




アイラからも血しぶき・・・・



やめて・・・・


やめてやめてやめてやめてやめてやめて!!!!!!!!



「もうやめてえぇぇえぇ!!!!!!!!!!!!!!!!」





叫んだ瞬間、身体から光が溢れる。













< 77 / 93 >

この作品をシェア

pagetop