しあわせおばけ

こんないい仲間に囲まれて、俺は恵まれていると思う。

でももうすぐ、あれから1年経つんだ。

もう心配いらない、俺は大丈夫なんだから。

またいつものように、バカ言って笑って、仕事がしたいんだよ。



「ありがとう、無理なんてしてないよ」

「そうですか、顔色、良くないですけど…」

「ははっ、今日早起きしたからかな。娘の学校、なぜか金曜日だけは給食じゃなくて弁当持ってかなきゃいけなくて」

「そう…ですか。あ、おはようございます!…じゃあ、失礼しますね」

「うん、ありがとう」

佐伯さんは、ペコリと頭を下げて、また別の先輩社員にコーヒーを持って行った。



たしかに最近ちょっと痩せたけど、顔色、そんなに悪いかな。

俺はそっと肉付きの悪くなった頬を撫でて、首をかしげた。



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