しあわせおばけ

妻は意味ありげな笑みを浮かべると、畳をすべるようにくるりと体を回転させて、俺に背中を向けた。

「ここ、見て」

と指差すのは、肩甲骨のあたり。

「…なんもないけど?」

どこからどう見ても、ただの背中だ。

「ふふ、今はね。じゃあよく見ててね」

妻が、着ていたジャケットをそっと脱いだ。



そのとき…






俺の目の前に…






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