しあわせおばけ
「天国には、未練型、守護型、成仏型っていう3種類があってね、私が振り分けられたのは、守護型」
「なんだそりゃ」
「簡単に言うと、こうよ」
①未練型天国とは
生前の心残りを達成させることを目的とした天国。
例)どうしてももう一度会いたい人がいる。読みかけの本がある。
②守護型天国とは
遺してきた家族、恋人やペットを見守ることを目的とした天国。
例)守護霊になりたい。
③成仏型天国とは
成仏することを目的とした天国。
例)とにかく早く生まれ変わりたい。完全に成仏したい。
未練型の人も守護型の人も、目的を達成したと天国側に判断される、もしくは本人が達成したと判断した時点で、生まれ変わりコースに導かれるという。
「読みかけの本があるって例、おかしくね?っていうか、天国側って誰のこと」
「天国運営委員会っていうのがあるのよ」
「え、天国ってそんな組織ばったところなの?」
「うん、意外よねぇ」
妻は手を頬に当て、もっと自由なところだと思ってた、と付け足した。