星を見るたび、君に恋した。
急に質問する癖は治らない、千佳ちゃん。



「ごめん、ダメだったみたい」
「………。そっか、まぁいいけど。」



千佳ちゃんはアイスコーヒーを飲み干した。



「あたしみたいに実家にずっといられたって親は困るだけだしね。」
「でも、あんなにお金持ちだし?」



あたしもアイスコーヒーを頼む。



「それじゃダメなのよ。」
千佳ちゃんは寝ている一真を見て頭を撫でた。



「父親がいない時点でダメなんだけどね」
切なそうな顔で笑うと、パスタをゆっくりとフォークに絡めた。



まだ吹っ切れてないんだね。



「あたしも、恋愛してみるよ」
「無理でしょ」



ためらいもなくいう彼女にまた胸が痛んだ。



「まぁ、したきゃすればいいけどね」
「うん…」


子供ね、まだ。あたしもあなたも。
そう言われた気がした。



「もうこんなに時間は経ってるの」
「うん、そうだね。」



「大丈夫よ」
「千佳ちゃんもね」

あたしは笑った。




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