愛してるなんて言わないで
やっぱり、それだけなんだ。
洸くんの理想の女の子じゃないからだね?
もう、いいや。
『華穂?手繋がないの?』
いつもはあたしから繋ぐけど、
洸くんに気持ちがないと分かってまで
手を繋ぐ気になんてならなかった。
「あー、うん。」
『はぁ…。ほら。』
手を繋がれた。でも、嬉しくない。
『お前おかしいよ?それに話って?』
「ごめんね?後で話すから。
ほらっ、楽しまなきゃダメじゃん?」
笑顔で返す。
洸くんに悟られないように、
鏡の前で作った笑顔で。