愛してるなんて言わないで



「うん。じゃあ、お言葉に甘えて
座らせてもらうね?」


座ってから洸くんに今日優しいねって
素直に言ってみた。


『たまにはいいやん。華穂のこと
大事にしたってさ?』


予想外の返答に、あたしの心が揺らぐ。


「いつも大事にしてよねー?」


おちゃらけて言いたいことを伝える。


そうしないと、伝えられないから。


洸くんには届かないから。


『嫌だよー。なんでお前をいつも
大事にしなきゃなんねーのー?』


冗談でも言って欲しくない。

あたしを大事にしなくないだなんて。

やっぱり、洸くんと付き合うの無理だ。


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