愛してるなんて言わないで
『なんてな。嘘。華穂って
呼びたかったんだ。呼び捨てでも
大丈夫だった?』
なんだ。嘘か。本気にしたじゃん。
でも、嘘でよかった。
あれ?なんで嘘でよかったの?
なんで他の子の名前を呼ぶのが
嫌なんだろう?
「なんか、嫌だな。
洸くんが他の子のこと名前で呼ぶの。」
気がつけば、そんなことを
口にしていた。
あ。と気付いたときには
洸くんに聞かれてるわけで。
『なに?妬いてんの?』
え?あたしが妬く?
そんなわけないじゃん。
あたし洸くんの彼女じゃ
ないわけだし。