愛してるなんて言わないで
「はぁ…。スカートなんて、
持ってない。それにダメ出し?
洸くん、何様ですか?」
駅の改札付近で周りの迷惑を
考える前に言葉が出る。
大迷惑な所で、喧嘩勃発。
『華穂うるさい。とりあえず
後で話聞くから、カラオケ行くよ。』
ほら、早く来い。と腕を引っ張られる。
「腕引っ張る位なら、手繋いで
くれない?痛いんだけど。」
いつもはこんなに上から言えない。
腹が立ってたら、ここまで
言えるんだね。
『はいはい。華穂様。』
明らかに面倒くさがってる。
『俺はすぐ怒る女より、にこにこしてる
方が好きだな。』
なに、その遠回しな言い方。
洸くんの言葉は、思いやりが
感じられない。