愛してるなんて言わないで
『なんで?』
「今日は嫌。そんな気分じゃない。」
その返事にむっとした洸くん。
『あっそ。』
仕方ないじゃん。
洸くんみたいにそんなに
性欲があるわけじゃないし。
『なら、何しに行くわけ?』
したくないから、ホテルに
行かなくてもいいんだけれど。
「別にさ、ホテル行かなくても
よくない?服とかみればさ。」
『見て何になるの?』
もう、いいや。
「あー、わかった。じゃあ
行こうよ。うん、そうしよう。」
洸くんうるさいし。
と、心の中で付け加える。
『なんだ、華穂もしたいんじゃん。』
上機嫌で勘違いしたままの洸くんに
手を引かれあたしは重い足を進める。