愛してるなんて言わないで


次第に腕を抑える力が強くなって
身動きが取れなくなった。

怖い。

その言葉が頭をよぎった瞬間、
あたしは震えが止まらなくなった。


怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い…


お前が悪いと、あたしを殴り蹴り
暴言を吐くお母さんの元再婚相手。

その姿と洸くんが重なり
思い出したくない記憶が
フラッシュバックした。

殴られる…蹴られる…

痛いのは嫌…あたしが悪いから…


「…め…なさい。…っく…
ごめっ…さい。」


過去のあたしに戻ってしまい
ひたすらに謝っていた。


あたしは悪くないのに。



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