あの場面はどこに
それにしても、彼があの場面を見ていたとしたらどう思っただろう。いいネタがあったと思って、いつも通りノートにメモしているのだろうか。
「ネタ?」
間違いない。彼が見ていたとしたら、絶対ネタ帳に書いてるはずだ。おもしろいことやおもしろい人が大好きな人だもの。
顔から火が出るってこういうことね。今、ものすごく顔が熱い。彼があの場にいなかったことを強く祈った。
その時、鍵を回す音が聞こえ、ドアが開いた。
「ただいま」
彼が帰ってきた。
「お、おかえり」
「冷えてきたなー」
そう言って、台所で手を洗い始めた。彼の様子がいまいちわからない。
「なにかおもしろいことあった?」
「うん、あったよ」
次は、うがいを始めた。
「どんな?」
まだうがいをしている。私は気になって、もう一度聞いた。
「それは秘密だよ」
「どうして?」
「いくら君でもネタを話すわけにはいかないな」
ようやく彼が私を見た。しかし、彼の表情を見る前に私が目を逸らしてしまった。
「お腹すいたね。今日はなに?」
「サンマ」
「お、いいね」
彼が机にネタ帳を置いた。あのネタ帳にあの場面は書かれてしまったのだろうか。
「ネタ?」
間違いない。彼が見ていたとしたら、絶対ネタ帳に書いてるはずだ。おもしろいことやおもしろい人が大好きな人だもの。
顔から火が出るってこういうことね。今、ものすごく顔が熱い。彼があの場にいなかったことを強く祈った。
その時、鍵を回す音が聞こえ、ドアが開いた。
「ただいま」
彼が帰ってきた。
「お、おかえり」
「冷えてきたなー」
そう言って、台所で手を洗い始めた。彼の様子がいまいちわからない。
「なにかおもしろいことあった?」
「うん、あったよ」
次は、うがいを始めた。
「どんな?」
まだうがいをしている。私は気になって、もう一度聞いた。
「それは秘密だよ」
「どうして?」
「いくら君でもネタを話すわけにはいかないな」
ようやく彼が私を見た。しかし、彼の表情を見る前に私が目を逸らしてしまった。
「お腹すいたね。今日はなに?」
「サンマ」
「お、いいね」
彼が机にネタ帳を置いた。あのネタ帳にあの場面は書かれてしまったのだろうか。