恋の彗星―僕が彼女と結婚した理由―
ステージに1人の女性――押切円があがる。

「細ッ…」

彼女の姿を見た、僕の最初の一言だった。

胸元までの明るい茶色のストレートの髪。

顔立ちは遠くからでもよくわかるほど、はっきりと整っている。

小顔で色が白い、そのうえ手足は長くて体型もスリム。

さすがモデルだ。

しかも、今人気急上昇中である。

いくら芸能ニュースに疎い僕でも、押切円の名前はよく知っていた。

オトナ女子向けの雑誌のモデルで、表紙を飾った回数は彼女がダントツ。

最近はドラマに出ていたりと、何かと大忙しだ。
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