恋の彗星―僕が彼女と結婚した理由―
彼女と視線がぶつかった。

そして、微笑む。

……俺に?

「まさかな」

俺と視線がぶつかったうえに微笑んだなんて。

あまりにも都合がよ過ぎる解釈。

今頃きたか?

失恋のダメージと言うヤツが。


無事にことも終わり、さあ帰ろうとした時だった。

「すみません、『五十嵐宝石店』のS支店の沼波良介さんでしょうか?」

スーツ姿の女性に声をかけられた。
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