恋の彗星―僕が彼女と結婚した理由―
いくら人間と言え、口に出すのは怖い。

しかも相手はモデルだからなあ。

「初めまして、押切円です!」

彼女が自己紹介をしたと思ったら僕の手を握った。

「沼波良介です」

人気モデルから、まさか手を握られるとは…。

本人は握手のつもりなんだろうが。

「あたし、さっき目があった時ビビビッってきたんですよね!

この人運命の人だ、みたいな感じで!」

「は、はあ…」

僕は何と言って言葉を返せばいいのかわからない。
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