恋の彗星―僕が彼女と結婚した理由―
その夜。

僕は押切円とメアド交換したことなんて忘れていた。

「えーっと、今日は何やってるかな…」

いつものように自宅につき、コンビニ弁当を食べ、風呂に入り、ビールを飲みながら新聞のテレビ欄を見ていた。

「『ピカルの定理』でも見るか」

そう思ってテレビのリモコンに手を伸ばした時だった。

テーブルのうえに置いてあったケータイが震えた。

「誰だ?」

こんな時間に。

そう思いながらディスプレイを確認。

「あ」

押切円からだった。
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