恋の彗星―僕が彼女と結婚した理由―
たぶん周りの目には、中華料理を食べにやってきたカップルにしか見えないだろう。

「お待たせアルよ~。

チャーシューメンと天津飯と餃子でアルね~。

日本語難しいアルね~」

中国人の店員が僕たちのテーブルに注文したものを置くと、さっさとその場を去った。

「充分に日本語話せてたよね」

「ああ、そうだな」

後ろ姿を見送ると、料理に手をつけた。

僕はチャーチューメン、円は天津飯。

「おいしいねー。

さすが中国人がやっているだけのことはアルよ!」

円がさっきの店員のマネをする。
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