恋の彗星―僕が彼女と結婚した理由―
テレビを通じての、円の告白。

ああ、そうか。

同時に、僕は気づかされた。

いきなり楽屋に呼び出され、メアドを交換したのも。

コオロギをいると騒いで僕を家に呼び出し、退治させたのも。

それからいろいろと話して、何度も食事をしたのも。

みんな、円なりのアピールだったんだと。

僕は、どこまで鈍感なんだろう。

彼女がモデルだからって、ためらう必要なんてなかった。

それ以前に、彼女は1人の女性だ。

恋することだってある。

「以上で記者会見を終わります。

お集まりいただき、誠にありがとうございました」
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