1人じゃないよ
HRが終わって、休み時間になるとたちまち

あの転入生は人気者。

私とは、大違い。

私も知らない町へ引っ越して知らない学校へ転入したら

あんなふうに、人気者になれるのかな・・・?

そんな事考えていると、大澤玲奈とそのとりまきたちが転入生に近づいて行った。

大澤玲奈は、いじめなんかしないで、性格もよくすれば、顔は可愛いし、スタイルも悪くない・・・普通にモテると思う・・・。

でも、周りの男子は大澤玲奈がいじめをしているという事で、可愛いとか、そういう感情は芽生えないらしい・・・いい気味だよ。

人を平気で傷つけているような人間が、幸せになるなんて許さない。

あぁ・・・いつから私はこんな病んだ心の持ち主になってしまったんだろう。

「岩瀬くん!アタシ、大澤玲奈っていうの!岩瀬くん!!よろしくねぇ!!」

あきらかにつくった様な声で転入生にベトベトする大澤玲奈。

転入生は顔をひきつらせながらも、社交辞令として、大澤玲奈に微笑んでいた。

きっと嫌いなんだろう・・・。

ベトベトされるのが・・・。

もっと・・・みんなに嫌われてしまえばいいのに・・・。

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