終わらない恋になれ





…あの日、暁に告白されて私はきちんと返事を返していなかった。
常陸がいなくなったことで頭の中はいっぱいで、気づけば中途半端に時間も過ぎていたから暁が何も言わないことをいいことに私からも何のアクションもとらなかったのだ。




(う、わ。どうしよう!)


どこかに隠れようかと思ったけどそんな場所もない。内心あわあわしているうちに、暁はこちらに気づいたらしく駆け寄ってきた。



「………久しぶりだな!」


「う、…うん」


曖昧に笑ってそう答えると暁はいつものようににっこりと笑って。



「そうだ、俺この間ロンドン行ってたんだ。透子が好きそうな紅茶の葉っぱ買ってきてたんだけど、今から俺んち来る?」


何にもなかったみたいに、そう言ってきた。





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