終わらない恋になれ





案内されて通された暁の部屋は車の中よりもさらに濃い香りがして、ソファに座った私はとろんとした表情で部屋の中を眺めていた。


暁は台所で紅茶を入れていて、カチャカチャと食器のぶつかる音だけが聞こえてくる。


その音にすら酔ってしまいそうだな、と思っているうちにマグカップを持った暁が私の隣に座る。
その瞬間、いっそう甘ったるい香りが強まった気がした。






「この香り、お香かと思ったけど香水?暁からもすごい香ってくる」


私がそう言いながらマグカップに手を伸ばすと、暁は小さく笑う。
そして私が紅茶を口に含んだのを確認してから暁もマグカップに口をつけた。



「そうだよ。いい香りだろう?」


「うん。なんか、………酔った、みたい、な」





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