終わらない恋になれ
9th 囚われたままの心は
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「…おや、殿下。このような髪飾りお持ちでしたか?」
そう言う日向の掌には淡いピンク色のシュシュ。
(…あっ!)
俺はそれを見るなり一瞬で日向に近づき、それを奪い取った。
「………なんだっていいだろう!」
そのシュシュはかつて透子からもらったもの。
長い髪をうっとうしそうにしている俺を見かねて、あまり使っていないからと俺にくれたんだ。
こちらに戻ったときにそのシュシュで髪を結っていたため、唯一残った透子との思い出となっていて。
日向に背を向け、改めてそれを執務室の机の上に乗せると背後からくすくすと笑う声がして。
「透子様からの頂き物なのですね」